
環境を変えることは 自分を変える大きなチャンス
黒住 龍彦さん(岡山県)
令和6年度卒業生 / 文系×陶芸デザインコース
令和6年度卒業生 / 文系×陶芸デザインコース
寮生活では、家から離れて知らない人と生活することになるので、最初はしんどく感じる人もいると思います。でも、 KIBIに来る子たちは、前の学校で思うように過ごせていなかったり、不登校の時期があったりと、みんな何かしら似たような背景があるので、お互いにズカズカ入ってこないので、気負わずにいられます。
自分の空間にいつも人がいることに、少し落ち着かない時もありましたが、やがてその環境にも慣れ、楽しく感じられるようになりました。何かあればすぐに友達に話しかけられますし、部屋のみんなとわちゃわちゃできるのもすごく楽しい。
学校だけでは話す機会が少なくても、寮で一緒に過ごすうちに「案外気が合うかも」と思えるような出会いがあります。友達の友達と自然と繋がることも多く、無理に話しかけなくても、たまたま一緒に遊びに行くことになって仲良くなることもあります。
寮生活なので、友達と一緒にご飯を食べられるのも楽しいです。それに、ケンカしても仲直りが早いです。卒業してこの環境がなくなってしまうのは、本当に名残惜しいです。
先生はとにかくフレンドリー。もちろん尊敬していますし、困った時には力になってくれる、大切な存在です。寮で「今回のテスト、大丈夫?」と声をかけてくれたり、分からないところを一緒に見てくれたり。人間関係に悩んでいる時や、寮でモメごとがあった時も、親のような立場で話を聞いてくれて、問題解決をサポートしてくれるので、とても心強かったです。本当にここまで面倒を見てくれる先生はなかなかいないんじゃないかと思います。
KIBIの先生は、先生としての立場を大切にしながらも、親しみやすく接してくれる。勉強の話だけじゃなくて、部屋に来て一緒にゲームしたり、ギターが得意な先生が音楽部と一緒に寮でギターを弾いていたり。そういう「仲間」みたいな空気があるのが、この学校の先生のすごいところだと思います。
2年次からのコース選択では、陶芸デザインコースを選びました。マンガ・アニメーションコースも気になっていたのですが、最終的な決め手はここでしかできない体験を重視したからです。
初めての窯焚実習で、自分で作った土の塊が器や作品に生まれ変わった瞬間の感動は忘れられません。ろくろを回しているときは、自然と無心になり、自分の中でリラックスできる感覚があります。静かな空間で集中して一つのことに取り組む時間は、まるで精神統一のようで、心が落ち着きました。うまくできない時があっても、もっとやってみたいと思えたし、繰り返し挑戦する中で、少しずつ感覚がつかめていくのも楽しかったです。
KIBIで陶芸を学び、立体物を作る楽しさに魅了されました。もともと好きだったアートとも繋がると感じたことから、多摩美術大学を志望しました。進路指導では、受験情報をまとめた冊子を作ってくれたり、小論文を添削してくれたり、作品制作への助言など多くの先生方の支えがあったからこそ合格できました。もちろん自分も頑張りましたが、決して一人では乗り越えられなかったと思います。
KIBIに来て、目標が見つかっただけでなく、コミュニケーションスキルや、並大抵のことでは折れない精神力を身に付けることができました。
いろいろな考え方を持っている人がいるから、ひとつの「当たり前」だけではやっていけないこと。それぞれの価値観に触れながら、コミュニケーションをとって、自分で考えて、消化して、動いていく。そうやって少しずつ、問題を解決する力が育ってきたように思います。
寮生活だからこそ、人と直接触れ合い、相手の顔色を見て「今どんなふうに思っているんだろう」と肌で感じながら関わり合う。失敗もあれば成功もある中で、人間関係を築いていく経験はとても貴重です。
もし今、「自分を変えたい」と思っている人がいるなら、KIBIはそのきっかけを見つけられる場所だと思います。寮生活に躊躇してKIBIを選ばないのは、もったいないです。ここなら変われる。実際に、僕もそうでした。勇気はいるけれど、環境を変えることは、自分を変える大きなチャンスだと思っています。
中学の途中から授業に出ることが減り、学力も落ちていたと思いますが、KIBIに入学してからは、メキメキ前向きに取り組むようになりました。
インタビューを読む