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新しい「私」と出会う場所
~吉備高原学園高等学校が不登校からの再スタートを応援します~

はじめに:未来への一歩をためらっている君と、支える皆様へ

この記事は、様々な理由で学校から足が遠のいてしまい、現在、進路について悩んでいる中学生のお子さんを温かく見守り支えられているご家族や先生方に向けて書いています。「これからどうしよう…」「どんな選択肢があるのだろう…」そんな不安や期待が入り混じる中で、新しい一歩を踏み出すための情報として、私たち吉備高原学園高等学校についてご紹介します。

文部科学省が令和6年(2024年)10月31日に公表した「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」によると、小・中学校における不登校児童生徒数は346,482人、高等学校では68,770人にのぼり、依然として多くの子どもたちが学校生活で困難を抱えている状況が示されています。

特に中学校では、不登校生徒数は216,112人で、在籍生徒の6.7%(約15人に1人)にあたります。この数字は決して特別なことではなく、多くの仲間が同じような悩みを抱えているということを示しています。そして、このような状況は、従来の画一的な教育システムだけでは対応しきれない多様な支援を必要とする生徒が増えていることの現れとも言えるでしょう。だからこそ、一人ひとりの状況に寄り添い、多様な学びの場や個別のサポート体制を提供できる教育機関の役割がますます重要になっています。大切なのは、その経験を乗り越え、自分に合った場所で新たなスタートを切ることです。

新しい環境で再スタート:「全寮制の全日制高校」だからできること

不登校を経験した生徒さんの進学先を考えるとき、多くの方が通信制高校や定時制高校を思い浮かべるかもしれません。確かに、自分のペースで学習を進められたり、時間に縛られずに活動できたりする点は大きな魅力です。しかし、「自宅での学習が中心だと、計画的に進めるのが難しかったり、モチベーションを保つのが大変だったりするかもしれない…」、「生活リズムが不規則になりがちで、なかなか改善のきっかけが見つからない…」といった不安を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。通信制の学校でも寮を設けているところはありますが、自宅学習が多くなりがちなため学習のモチベーション維持が難しいという側面も指摘されています 。

私たち吉備高原学園高等学校は、そうした不安に一つの答えを提示できる「全寮制の全日制高校」です。親元を離れ、豊かな自然に囲まれた岡山の吉備高原都市で規則正しい集団生活を送ることは、これまでの生活習慣を一度リセットし、新しい自分と出会うための大きな一歩となります。ここでは、学習習慣はもちろん、食事や睡眠といった基本的な生活リズムを整えることから始めることができます。この「環境を変える」という選択は精神的にも大きな効果をもたらし、過去の人間関係や生活パターンから物理的に距離を置くことで、新しい自己イメージを築きやすくなるという側面があります。

全寮制だからこそ実現できること。それは、生徒と教員が寮で寝食を共にし、日々の生活の中で生まれる人間的なふれあいを通して、互いを理解し、尊重し合う心を育む「全人教育」です。一人では踏み出せないことも、同じ目標を持つ仲間と支え合い、励まし合うことで乗り越えていく。そんな経験が待っています。

通信制や定時制が提供する「自由度の高さ」とは異なる「環境による変化の促進」と「共同生活による人間的成長」という価値が、ここにはあります。特に、不登校経験により自己肯定感が低下している生徒にとって、寮生活での小さな成功体験や仲間からの承認は、自信回復の大きなきっかけとなり得るのです。

「なぜ学校へ行けなかったんだろう?」一人ひとりの原因に寄り添う姿勢

不登校の背景には本当に様々な、そして多くの場合、複雑に絡み合った原因があります。文部科学省の令和5年度の調査によれば、不登校の中学生が抱える状況として、以下のような要因が挙げられています。このデータは、不登校が特定の個人的な問題だけでなく、多くの生徒が直面しうる一般的な課題であることを示しています。

把握した事実 割合(中学校)
学校生活に対してやる気が出ない等の相談があった 32.2%
不安・抑うつの相談があった 23.4%
生活リズムの不調に関する相談があった 22.1%
学業の不振や頻繁な宿題の未提出が見られた 15.5%
いじめ被害を除く友人関係をめぐる問題の情報や相談があった 14.4%

「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果 85頁 (4-7) 不登校児童生徒について把握した事実」

特に「無気力、不安」を感じている生徒が半数以上(「学校生活に対してやる気が出ない」32.2%、「不安・抑うつの相談があった」23.4%を合わせると中学校では55.6%)に上るという事実は、単に学習支援や友人関係のサポートだけでなく、生徒の精神的な安定や自己肯定感の回復がいかに重要であるかを物語っています。

私たち吉備高原学園高等学校は、こうした一人ひとりの「なぜ」に真摯に向き合い、それぞれに合ったサポートを提供します。

いじめや人間関係の悩みからの再出発

いじめは依然として深刻な問題であり、不登校経験者やその保護者が最も懸念する点の一つです。本校では、いじめを絶対に許さない姿勢で臨み、「いじめ問題対策基本方針」を定め、組織的な対応を行っています。この方針に基づき、入学前アンケートで生徒の特性を把握し、いじめの未然防止に努めています。また、各学期にアンケートを実施して実態把握を行い、担任や教育相談室での面談を通じて早期発見・早期対応を図っています。

とは言え、育ってきた環境や背景が異なる者同士が寮生活をするため、日常的な「もめごと」が起きない訳がありません。全寮制という環境を活かし、教員が生徒たちの日常に寄り添い、ささいな変化を見逃さず、いじめにつながるような「もめごと」が疑われる場合は情報の共有に努め、多角的な対策を検討します。重要なのは日々発生する様々な課題や問題にみんなで向き合い解決策を見出すということです。これこそが、全寮制の醍醐味であり、子どもたちにとって必要な経験であると考えています。

過去に人間関係でつまずいた経験を持つ生徒たちにとって、寮と学校での多様な生活体験は、多くの人との出会い、ふれあい、信頼関係を構築する貴重な機会となります。寮室(4~6人部屋)での共同生活は、互いの違いを認め合い、支え合うことの大切さを学ぶ場です。このような環境で身についた生活習慣は、人間的に逞しく育ち、いずれ社会に出たときに役立つ「一生の宝」になっていきます。

学習の遅れや学力への不安を解消

「もう一度基礎から学び直したい」「授業についていけるか心配」そんな不安を抱える生徒のために、本校では英語と数学で習熟度別のクラス編成で指導を行っています。一人ひとりの理解度に合わせて丁寧に指導することで、わかる喜びを感じ、学習への自信を取り戻すことができます。夜間講座なども活用し、新たな学習目標を見つけるサポートも行います。

無気力・不安からの脱却と生活リズムの確立

「何もやる気が起きない」「朝起きられない」といった悩みを抱える生徒も少なくありません。本校では、栄養バランスの取れた1日3回の食事と、日中の活動、そして夜の十分な睡眠という規則正しい寮生活を通じて、心と体の生活リズムを整えることから始めます。生活の安定は心の安定に繋がり、これが学習意欲や活動への参加意欲の基礎となります。また、生徒全員が何らかの係を受け持ち、自分の役割を果たすことで仲間からの信頼を得る経験や、学校行事、寮行事、地域との交流活動など、小さな成功体験を積み重ねることで、「自分にもできる」という自己肯定感を育み、将来への夢や活動への意欲を引き出します。

自分の「好き」を見つけ、個性を伸ばす専門コース

本校には、マンガ・アニメーション、クラフトデザイン、陶芸デザイン、緑化システム、生活デザイン、健康スポーツ、福祉ボランティア、情報システム、インターナショナル、キャリアデザインといった10の専門コースがあります。従来の学校教育では評価されにくかった興味や才能といった個性が、これらの専門コースでの活動を通じて開花する可能性があります。「ものづくり」や興味のある分野に夢中になる中で、新たな自分の能力を発見し、個性を伸ばすことが自信に繋がります。この「好きなこと」への没頭は、達成感や自己肯定感を生みやすく、それが他の学習や活動への意欲にも波及する好循環が期待できます。

全国初「公私協力」の学校だからできる手厚いサポート

吉備高原学園高等学校は、平成3年(1991年)、既存の教育の枠組みだけでは応えきれない多様な支援を必要とする生徒たちのために、岡山県と民間の学校法人手を取り合って設立した、全国初の「公私協力方式」による全日制・全寮制の普通科高校です。この特別な成り立ちは、単なる運営形態の違いではありません。それは、生徒一人ひとりに寄り添い、その未来を拓くための「安心感」と「具体的な希望」を両立させるための、私たちの教育の根幹をなすものです。

「公(岡山県)」の支援による安定性と信頼感

本校は岡山県が設立に深く関わっており、理事長は岡山県知事が務めています。これは、本校が地域社会を支える人材を育てるという公的な使命を帯び、社会的な信頼のもとに安定した運営がなされていることの証です。公立学校が持つ安定性や信頼感と、私立学校が持つ専門性や柔軟な教育プログラム、その両方の長所を兼ね備えているのが、私たちの最大の強みです。保護者の皆様にとっては、大切なお子様を預ける上での大きな安心材料となり、生徒の皆さんにとっては、落ち着いた環境でじっくりと自分自身と向き合うための基盤となります。

「私(学校法人)」の専門的で柔軟な教育と未来への道筋

本校を運営する学校法人は、長年にわたり多様な教育機関を運営してきた実績と、豊富な教育ノウハウを持っています。その専門性と柔軟性を活かし、本校では画一的ではない、生徒一人ひとりの興味や関心、そして夢に繋がる10の専門コースを設けています。これは、公立学校の枠組みだけでは実現が難しい、個性を伸ばすための特別な教育環境です 。

さらに、この連携は生徒の皆さんの未来に具体的な希望を灯します。連携する学校法人が運営する、岡山理科大学をはじめとする多くの大学や専門学校があり、本校からの進学を目指す生徒には、入学金の一部または全額免除や、特別推薦(指定校推薦)制度といった力強いサポートが用意されています。これは、単に経済的な負担の軽減といったメリットだけでなく、不登校の経験から学習にブランクがあったり、将来に不安を感じていたりする生徒にとって「自分にもこんな道があるんだ」という具体的な目標となり、学ぶ意欲を大きく引き出し、未来への選択肢と希望を大きく拡げることに繋がるのです。
公と私がそれぞれの強みを最大限に発揮し、連携することで生まれるシナジー。それが、生徒一人ひとりを大切にし、安心して再スタートを切り、未来への確かな希望を見出すことができる、吉備高原学園高等学校ならではの教育環境を創り出しています。

吉備高原学園での3年間:仲間と共に「生きる力」と「自信」を育む

吉備高原学園での3年間は、単に勉学に励むだけではありません。全寮制の環境と多彩な活動を通じて、仲間と共に成長し、社会でたくましく生きていくための「生きる力」 と、「自信」を育んでいきます。

寮生活が生み出す、かけがえのない絆と成長

「明るく、快適な寮生活」は、本校教育のまさに土台です。寮室(4~6人部屋)での共同生活では、最初は戸惑うこともあるかもしれません。しかし、互いの個性や価値観の違いを認め合い、協力し合う中で、自然とコミュニケーション能力や協調性が生まれます。不登校経験者が抱えやすい「社会的孤立感」を解消し、「所属感」を育む上で、この共同生活は非常に効果的です。「仲間との協調」「支え合う関係」は、単なる友人関係を超え、困難を乗り越える「戦友」のような絆を育む可能性を秘めています。

寮には毎日数名の先生が宿直し、学習のサポートはもちろん、日々の悩みや相談ができる体制を整えており、生徒たちの心の安定をサポートしています。また、寮独自の行事や委員会活動もあり、生徒たちが主体的に運営に関わることで、責任感や達成感を味わうことができます。

一人ひとりに合わせた学びで、自信を取り戻す

本校に入学する生徒の中で「勉強についていけるだろうか…」といった学習面での不安を抱える生徒も少なくありません。本校では、特に英語と数学において習熟度別のクラス編成を導入。一人ひとりの理解度に合わせて丁寧に指導することで、「わかる喜び」を実感し、学習への自信を取り戻すことができます。

1年次で様々な専門コースの基礎を体験し、2年次からは自分の興味や関心に合わせて本格的にコースを選択します。マンガ・アニメーション、陶芸デザイン、クラフトデザイン、緑化システム、福祉ボランティアなど、多彩な専門分野で「ものづくり」や専門的な学びに取り組む中で、新たな自分の才能を発見し、大きな自信へと繋げていきます。

習熟度別授業と専門コースの組み合わせは、学力面での「遅れ」に対する不安と、学習意欲そのものの「低下」という、不登校の二つの大きな要因に同時にアプローチするものです。基礎学力の補強と、興味関心に基づく専門分野での成功体験が相互に作用することで、学習全体へのポジティブな循環を生み出すことができます。

規則正しい生活と豊かな体験が心身を育む

栄養バランスの考えられた三度の食事、日中の活動、そして夜の十分な睡眠。この規則正しい生活リズムが、心と体の健康の土台を作ります。

学校行事や研修、地域との交流活動など、教室の外での多様な体験は、視野を広げ、仲間との絆を深め、小さな成功体験を積み重ねることで「貢献する力」を育みます。この「貢献する力」や「責任を果たす力」の育成は、生徒が社会の一員としての自覚を持ち、他者との関わりの中で自分の価値を見出す上で重要です。これにより、不登校経験によって失われがちな所属感や自己肯定感を回復させる効果が期待できます。

吉備高原学園での日々は、時に試練もあるかもしれませんが、それを仲間と共に乗り越えることで、以前とは違う自分に出会い、相手を思いやり、助け合う心が自然と磨かれ、そして確かな自信へと繋がっていきます 。

終わりに:吉備高原学園で、新しい自分との出会いを。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。私たち吉備高原学園高等学校は、不登校を経験した生徒が、安心して新しい一歩を踏み出し、自分らしく輝ける場所でありたいと心から願っています。少しでも吉備高原学園に興味を持っていただけましたら、ぜひお気軽に資料をご請求ください。また、学校の雰囲気を直接感じていただける学校見学や、オンラインで参加できるWebオープンスクールも随時開催しています。

岡山県の豊かな自然に抱かれたこの地で、勇気を持って歩み始めてみませんか。

私たちは皆さんの勇気を全力で応援します!
皆さんとお会いできる日を楽しみにしています。